これはパリ時代の我がムニエ教授のお言葉。
先生の元からは多くのピアニストが巣立って行きましたが、同時に何人ものコンクール受賞者がいつも沢山クラスにいました。
コンクール前になると当然みんな必死なのですが、先生はいつも「コンクールなんていうものはないの!コンサートだと思って演奏しなさい」と仰っていました。
当時はそう言われてもコンクールなんだからと思っていましたが、先週末、生徒の一人があるコンクールの予選を受けました。彼女が会場に入る前の最後のアドバイスとして先生の言葉が何故か自然と出てきました。まだ13歳になったばかりの彼女は年齢の割にとても大人びていて思索的な女の子。既に10年間毎週毎週一緒に色々な状況を通り抜けているのでコロナ禍以来、お互いに深い話しもできるようになり、臨んだ今回のコンクール。
正直テクニックはもう少し、とも思ったけれども、兎に角両手の音のバランスに美しく歌い上げたフレーズ。コンサートを聞いているかのような演奏で思わず目頭が熱くなってしまったのでした。
音楽の道には進まないけれども本物の音楽を求めて愛情たっぷりに歌い上げられる彼女が本当に愛おしく思えるのでした。
これから本選に向けてまだまだ頑張っていきますが、この若さで既にコンクールとコンサートの違いを理解して演奏できた彼女を心からたたえたいです。
The titled phrase came from my professor on Paris, as we were preparing for competitions.
I thought I got what she meant, but only in my head.
Last weekend, my 13 year-old student performed in a preliminary round of a competition. She's been with me since 10 years now so by now, she not only is accustomed to my way of teaching, but also knows exactly what my goal in teaching is.
This was not her first competition.
2 years ago, she has done very well. However, this time , just as she was about to enter the hall, I was saying my professor's phrase before I knew it.
Her performance was so beautiful, I actually felt as if I was listening to a concert, which made me immensely proud and happy.
Now that she has passed the preliminary round, we'll be working towards the final.
Please keep your fingers crossed for her with me !
Comentários