「ロマン的魂の冒険の世界を自在に表現」

ショパンとシューマン生誕200周年記念リサイタルから

​「ショパン」2010年4月号 

全体的に柔らかな音色に包まれた表情豊かなピアノで、丁寧に、心込めて音を積み重ね、奏でていたのが印象的であった。 ショパンは、いずれの作品も柔軟でまろやかで魅惑的な演奏であったが、そのうえでさらに麗しい音色とぺダリングの繊細さへのこだわりが持てるようになると、より味わい濃いものになるだろう。寺田まり曰く「子どものころから、私の心にとても近いものを感じていた」というシューマンでは、この曲のめくるめく変幻すべてを響かせて、ロマン的魂の冒険の世界を自在に表現していた。
〈1月12日・東京文化会館(小)〉